「年+月」の代わりに「月」一本
これを覚えておくと、文を短くできるだけでなく、表現の幅を広げることもできます。
(H2ロケットの打ち上げが延期される。)この結果、今春の打ち上げから[1年3ヶ月]もの空白期間が生じる。
根岸裕 『和英翻訳ハンドブック』 P. 94
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544403
もちろん「one year and three months」でも悪くはないのですが、「15 months」とすると以下のような簡潔な表現も可能になります。
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544603
Postponing the launch leaves a [15-month] gap since the H-II launch this spring.
※ここでのmonthは形容詞的用法のため単数形になっています。
Point 1
「○年□ヶ月」は「○×12+□ months」とできることを頭の隅に置いておきましょう。
同様に「○時間□分」→「○×60+□ minutes」も便利です。
適切な主語(主部)を選ぶ
抽象的な名詞を主語にした和文を英訳する際、主語を直訳するとぎこちない印象を与える場合があります。
[米国産業の対日依存度]は日本の産業の対米依存度を上回っている。
根岸裕 『和英翻訳ハンドブック』 P. 4-5
こういう時はまず、主語の抽象的な名詞(dependence)を動詞(depend)にしてみます。
そして、その動作主体を主語にして、文を再構築してみます。
Point 2
「○○(具体的な人・会社・国)の□□(抽象名詞)」は「○○が□□する」と変換して文を組み立てられないか、考えてみましょう。
notを避ける
3.11を忘れない = Remember 3.11
日本語では「ない」と否定形で表現する場面でも、英語では肯定形で表現する方が自然な場合があります。
公正取引委員会の方針は[変わりそうにない]。
根岸裕 『和英翻訳ハンドブック』 P. 206
まず、Point 2を考えましょう。
「公正取引委員会は方針を変えそうにない」と再構築した上で、英訳を考えてみます。
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544503
notを使わず表現するには、反対の意味の動詞や形容詞を考えます。
「方針を変えない」ということは「方針に固執する」ということですから・・・
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544703
Point 3
notを多用してしまったら、対義語を使って肯定形で書き換えられないか、検討してみましょう。
また、fail, refuse, rejectなどを使うのも手です。
不定詞を使って「名詞の羅列」にサヨナラ
名詞の形容詞的用法(noun adjunct)は便利ですが、連続すると修飾関係が分かりづらくなります。
そんなときは不定詞の形容詞的用法で書き換えてみましょう。
A社は出力130メガワットの実験用発電用設備を設置する。
根岸裕 『和英翻訳ハンドブック』 P. 44
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544303
「実験用発電用設備」とは「発電する実験用設備」のことですから、generationをto generateに置き換えると上手くいきそうです。
https://matome.naver.jp/odai/2133223278165033001/2133225647166544203
Point 4
名詞を連続させる代わりに不定詞を使えないか、検討してみましょう。
英語力向上まとめ
600もの校正例の中から4つだけご紹介いたしました。