茂木健一郎さん 連続ツイート第504回「テレビの未来(もしそれがあるとするならば)」

kentasinjyou

茂木健一郎@kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

茂木さんの朝の連続ツイート

茂木健一郎@kenichiromogi

「連続ツイート」第504回をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、昨日佐藤可士和さんとお話したことに触発されて。

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てみ(1)佐藤可士和さんとお話したら、『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演されたことが変化のきっかけとなったと。世界的に注目されるユニクロとのコラボも、そこから始まったと。bit.ly/yuASOX それを聞いて、本当にうれしかった。

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てみ(2)『プロフェッショナル 仕事の流儀』は、凄まじいまでの情熱と手間をかけてつくられている番組で、2010年春までかかわることができたのは幸せなことだった。りんごの木村秋則さんの回(bit.ly/yTcis8)、本当に今でも忘れがたい。

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てみ(3)今年は、インターネットとテレビの融合が本格的に始まる年。アップルやグーグルが、間違いなくウェブと連動したテレビを出してくる。そんな中、テレビのあり方も変わってくるだろう。特に、番組の製作の仕方や内容が、従来とは異なるものに「進化」していくと私は考える。

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てみ(4)地上波テレビが危機を迎えていることは事実である。一切見ない、という人も周囲で増えてきたし、ネットで十分、という人もいる。テレビ関係者は、相変わらず各局の相対的視聴率の優位を気にしがちだが、テレビの本当の、そして最大のライバルはインターネットである。

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てみ(5)最大のライバルのネットの特質をよく考えれば、テレビの未来(もしそれがあるならば)が見えてくる。地上波テレビは、刹那的でありすぎた。製作者はいつも忙しく、オンエアするとすぐに次の番組にかかる。よく言えば後を振り返らずに潔いが、別の言い方をすれば場当たり主義である。

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てみ(6)しばしば批判される「金太郎飴」的なタレントの多用や、CMまたぎなどの手法も、瞬間最大風速的な視聴率をねらっていくからで、結果として出来上がるものは、5年後、10年後に視聴されるには耐えられない質のものになっている。いわゆる、テレビの「劣化」である。

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てみ(6)インターネット上の淘汰圧は、少し違う。youtubeが典型だが、きちんとした内容のものをつくれば、それが次第に広がっていって、やがてたくさんの人に見てもらえる。「CMまたぎ」などの刹那的な手法は通用しない。淘汰に耐える内容の番組がないから、地上波離れが起こる。

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てみ(7)今の地上波テレビの病理は、瞬間的な視聴率を最大化しようとするあまり、長期にわたる観賞に耐える内容のものを作れていない点にある。タレントの内輪話などその典型である。しかし、テレビとネットの融合が始まることで、番組の質は必ず向上する方向に淘汰圧が加わるだろう。

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てみ(8)かつて自分が関わっていたから言うわけではないが、『プロフェッショナル 仕事の流儀』@nhk_proff は、長い間にわたって繰り返し視聴するに耐える内容のものになっている。テレビ関係者は、次第に、長期の内容淘汰圧を考慮して、番組つくりをするようになっていくのではないか。

茂木健一郎@kenichiromogi

てみ(9)テレビに未来なんかない、という人もいる。もう興味がない、という人も多い。しかし、ネットが提供するテレビの進化の可能性は、必ず良い方向へと働くはずだ。刹那主義との決別。「視聴率」ではなく、「累積視聴数」が番組評価の基準になった時、テレビ番組の印象は一変していることだろう。

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以上、連続ツイート第504回、「テレビの未来(もしそれがあるとするならば)」でした。

もぎけんお薦め英語

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 001】
The Economist (http://t.co/hIOmyZSN)。世界の経済や政治、文化についての的確な分析はいつも参考になる。特定の事実や立場に偏るのではなく、フェアでバランスのいい解析とヴィジョンを提示する精神は学ぶべきです。

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 002】
Ali G, チョムスキーをインタビュー。 (http://t.co/X2dAVUQD)。 Sacha Baron Cohen演ずるAli Gが、世界的言語学者と言葉の舞踏。Ali Gが体現しているユーモアのアングルこそが、英語圏文化の精華。

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 003】
Derek Sivers: How to start a movement。(http://t.co/2qGSpOJ2 )。 今や「古典」となったTEDのtalk. @hatoyamayukio さんが「裸踊り」と紹介して有名に。

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 004】
イギリスのコメディアン、Steve Cooganは人間の凡庸さや偏見を描くと天才。代表的キャラクター、Alan Partridgeが政治討論を仕切る設定のこのスケッチは傑作で、何度見ても面白い。(http://t.co/c9TXS0e8

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 005】
Katherine MansfieldのThe Garden Party。 http://t.co/cqWIJPfW 本当に素晴らしい短編小説。ローラの心の揺れ動き。人々の冷淡と温かさ。最後にローラが見た光景は、人間存在の恐ろしい真実に触れる。

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 006】
Anne of Green Gables. http://t.co/hArcf8pn 小学校で村岡花子訳の『赤毛のアン』を読んで感激し、シリーズ全部読破。高校のとき、原書でふたたび全部読んだことが、英語力の飛躍のきっかけになりました。名作。

【茂木さんのお薦めする「英語を生きる」ための素材 007】
Gifts of Unknown Things http://t.co/9IjpSSZS ライアル・ワトソンの青春の揺れ動き。インドネシアの海で、イカと遭遇する場面は、本当に美しいです。英文も端麗なリズムに満ちています。

茂木健一郎@kenichiromogi

「英語を生きる」ための素材 008 Big Think Stephen Pinker on Free will bit.ly/zyMG7T このシリーズは、高度の内容をコンサイスでわかりやすく語っていてブラボー。ピンカーが「自由意志」を論じています。
https://matome.naver.jp/odai/2132917914470447401
2012年09月15日