ド素人が勉強した! TPPの起源&賛否両派の意見

佐々木康友
最近、日本を二分しているTPPについて。別に専門家でも何でもない「ド素人」が調べた結果をまとめました。

TPPとは、そもそも何なのか? から勉強しました。

最近、国論を2分してる感のあるTPP論争ですが、なんだか急に湧いて来た印象があって
よく分かりませんよね。

どうも貿易だけでなく、医療とか著作権にも関係ある見たいですが、断片的な情報しか無くてどうにも判断が出来ません。

そこで、経済学などに特に詳しい訳でもない「ド素人」がTPPって一体何なのかを勉強してみました。
入門編では、TPPがどういう経緯で出来て、どんな影響があるのかを紹介します。

貿易協定のはじまりWTOって覚えてます?


https://matome.naver.jp/odai/2132055461769876201/2132055538369903203
百家争鳴で失敗したWTO
WTO(世界貿易機関)って知ってますか?
日本では、GATTやウルグアイラウンドという名前の方が有名かもしれませんね。90年代に揉めていたアレです。

WTOは1995年に発足した貿易に関する国際機関です。現在は150カ国あまりが加盟しています。

設立の目的は、関税の撤廃と貿易の共通ルールを決めて、自由貿易をもっと促進しようというものでした。

対象範囲は物品だけでなく、農業、サービス貿易、知的財産、市場への参入障壁の撤廃など幅広い分野に渡たっています。

しかし、締結寸前の状況で加盟国間の対立が収まらず、2008年から交渉は凍結された状態となっています。

外相としてこの交渉に立ち会った私は、ひとつの世界秩序の崩壊を見ていたのだと思う。
http://ips-j.com/entry/49;jsessionid=A591E1A5429E981E89F25893405D36C1?moreFlag=true

ノルウェー外務大臣のヨーナス・ガール・ストーレ氏がWTOの失敗を嘆く。

二国間交渉が中心の流れに日本は乗り遅れた。

結局、WTOのように大勢が集まると何も決まらないので、2国間や地域間の貿易協定に中心が移りました。

これがFTA(自由貿易協定)と呼ばれるものです。この辺になると聞いた事があるかどうか
だんだん怪しくなってきますよね??

それは、日本がこの交渉に乗り遅れているので、国内での報道が少ないせいです。

しかし、TPPを理解するには、このFTAの状況を理解する必要があります。

FTAもWTOと同じく貿易の障壁をなるべく低くするための協定です。
ただし、日本はこの動きに乗り遅れています。


https://matome.naver.jp/odai/2132055461769876201/2132055556969911203
韓国がFTAの締結で先行!日本企業は不利な状況に。
日本のFTAは、2011年11月現在12カ国で発行していますが、EUやアメリカのような大きな経済圏は入っていません。

左の図のように、アメリカやEUの関税はFTAを締結しないと高い状態のままです。

そのため、経済界はFTAを促進するよう政府に求めていましたが、ライバルの韓国が、アメリカやEUとの締結を完了しているのと比べると大きく出遅れてしまいました。

結果として、日本企業が不利な状況に置かれています。

←出典:キヤノングローバル戦略研究所  「TPPの論点」より

TPPは日本にとって重要な国と、FTAを一気に結べるチャンス。

TPPは、2006年にニュージーランド、チリ、シンガポール、ブルネイの4カ国で結ばれた
P4と呼ばれる多国間FTAが基盤となっています。

2009年からアメリカが参加し、現在ではオリジナル4カ国に加えて、アメリカ、オーストラリア、ベルー、マレーシア、ベトナムが加わって、TTPの交渉がおこなわれています。

TPPの特徴としては3つの点が上げられます。

(1)高いレベルの協定
日本の結んでいたFTAが農業分野で多数の例外規定を設けているのとは違い、ほぼ全部の品目で関税ゼロを掲げている高いレベルの協定だということです。

(2)包括的な協定
さらに、物品の貿易だけではなく、サービス貿易、政府調達、市場参入障壁、投資、知的財産など様々な分野を包括した経済連携協定であることです。

(3)アメリカ以外でも大きな経済規模
9カ国の中には、環太平洋地域の先進国がほとんど入っています。そのため日本とTTP参加国との貿易額はアメリカが5割程度で、それ以外の8カ国との貿易額も非常に大きいのです。

このように、TPPは日本が乗り遅れたFTAを多国間で、高いレベルと経済規模で結べる可能性を秘めているのです。

※分かりづらいので、このまとめではFTAとEPAは区別しません。

しかし、TPPは環太平洋とまではいえない規模。本命はASEAN+6か?

かなり規模が大きいとはいえ、TPPはASEANやほとんどのラテンアメリカの国は不参加です。まだまだ、環太平洋とは言えない規模です。

コレに対して、ASEANを含めた枠組みを中国が進めようとしています。


https://matome.naver.jp/odai/2132055461769876201/2132071099572139103
TPPは、中国の目指す元による経済圏とのパワーゲーム
2010年にはASEANと中国の間でFTAが締結され、約7000品目にわたる関税を撤廃。これによって、人口19億人、GDP6兆ドルという巨大自由市場が、東アジアに誕生しています。

日本も、ASEANに、日本、韓国、中国、オーストラリア、NZ、インドを加えた「ASEAN+6」による「東アジア共同体構想」が外務省を中心に掲げられていますが、研究段階(絵に描いた餅)に留まっています。

中国では、アメリカ抜きのASEAN+6の範囲でFTAをすすめ、元を中心としたEUのような広域経済圏を目指すというのが本筋のようです。
TPPは、アジアをめぐるアメリカと中国のパワーゲームの一面もあります。

かけ声だけの鳩山由紀夫首相の「東アジア共同体」と違って、中国は一足先に、この正月、東アジア共同体の第一歩を実現した。それは、ASEAN(東南アジア諸国連合)との自由貿易(関税撤廃)である。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0105&f=column_0105_002.shtml

中国はASEANとのFTA締結に成功。何も進まない日本には、他国は期待していないようです。

【交渉参加に肯定派】アメリカは中国を警戒。日本にはチャンス!

米国在住の元国会議員、田村耕太郎さんによるとTPPで日本に有利な交渉は可能とのこと
理由としては

1.アメリカにとって日本の重要度はかつて無いほど高い
アメリカの力は弱まっており、同盟国に自分たちの出来ない部分を任せたい。
そうなると、アジアでは当然日本に期待している。

2.アメリカが警戒しているのは中国。
保護主義的で、労働慣行や知的財産などを守らない中国をアメリカは警戒している。
その中国が、ASEAN+6※の枠組みで域内FTAを、中国中心で作る事を望んでいる。
そこに日本に入られると困るので、日本の要求は通りやすい。

3.TPPはまだ何も決まっていない。
実際のTPPの交渉では何も決まっていないに等しい。だから、まだまだ枠組みは変えられる。
逆にアメリカから見ると、なにも決まって無いのに何を大騒ぎしているの理解苦しむ。

4.TPPはアメリカ国内でも不安論がある。
アメリカでも、医療制度や農業など国内の制度が守られるのだろうかという不安がある。
どこの国でもそのへんは保護の対象なので、TPPで一気に変わるとは考えづらい。

※ASEANに、日本、中国、韓国、インド、オーストラリア、NZを加える

【交渉参加に否定派】米韓FTAのような不平等な内容にならないか懸念

日本に先駆けてアメリカとFTAを結んだ韓国では、内容が不平等ではないかと問題になっています。その中でもISD条項が問題視されています。

このISD条項は投資家や企業が相手国に不平等な扱いを受けたときなどに相手国をその企業が訴えることができるという条項で、日本政府も、法的制度が整わない発展途上国に対して投資や貿易をおこなう際にはぜひ必要だと考えている制度です。

つまり、TTPが締結されると日本政府が外資に訴えられるとの懸念があるわけです。

その他の内容については日経新聞の電子版から以下の記事を引用します。

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■米自動車業界の意向を飲まされた韓国の教訓

米韓FTAが発効してもすぐには関税率が下がらない。乗用車は韓国側が主張した「関税の即時撤廃」が「5年後撤廃」になり、商用車については「米側は10年目に撤廃。韓国側は現行10%の関税を即時撤廃」にまで押し戻された。

しかも、米側には「自動車に限定したセーフガード(緊急輸入制限)条項」が付いた。米国車に対し韓国国内で協定違反があった場合、「米側は韓国メーカーに関税を2億ドル課することができる」決まりもある。これらを米政府に働きかけ、合意に持ち込ませたのはAAPCだった。

日本車は韓国車より米国内での販売台数が多く、AAPCはより厳しい制限を設けるよう求める懸念がある。

日経新聞電子版 2011.11.2 ニュースこう読む(中山淳史)より引用

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米韓FTAが実際に不平等な内容かはっきりとは分かりませんが、韓国国内でかなりの反対があることは確かなようです。

【両派の意見は混乱】交渉に未参加のため、情報が入ってこないのが混乱の原因。

現在、TPPの参加を巡って国論が2分しています。この原因は、そもそも議論に参加していないため、色んな業界が自分に都合のいいことを言っていることが原因だと考えています。

▼国産米わずか1割に農水省が試算 TPP参加、日本の農業壊滅
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-10-28/2010102801_01_1.html

上記については、TTP参加国意外の全世界で関税がゼロになった場合の試算であり、数字を大きく見せるための極端な試算です。

政府内でも財務省と内閣府の行った試算の隔たりが大きくなってますが
情報が無いので、そもそも精度の高い分析など不可能だという状況だと考えます。

▼経産省「10兆円」内閣府「3兆円」 TPP経済効果で隔たり
http://p.tl/3tYj

サービス貿易も対象になる事から、国民皆保険が参入障壁として
TPPで議論の対象になると、医師会が反対!
しかし、オーストラリアやニュージーランド、シンガポールなど
先進国は基本的に国民皆保健です。

これは、医師会が何かを勘違いしているとしか思えません。。。

▼日医など3師会「皆保険堅持の確約なくばTPP参加には反対」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20111104/289490/?top_f2&rt=nocnt

民主党の前原政調会長が「TPPおばけ」という表現をしていましたが中身が分からないために、むやみに大騒ぎしている状況だと思います。

慎重論、反対論の中には、事実に基づいた不安感と同時に、事実に基づかない議論もある。これを私は『TPPおばけ』と言っている」
毎日新聞より

民主党 前原政調会長談

米国、メキシコ、トルコを除く全てのOECD諸国では基本的な保健医療サービスを対象とする国民皆保険制度かそれに近い制度が整備されている
http://www.oecdtokyo.org/theme/hea/2009/20091208hag_p.html

国民皆保健の国が大半なのに、TPPでみんながそれを捨てるとは思えない。。。 出典はOECD公式HP

【最後に】アジア太平洋は日本のホームグラウンド。TPPにも問題はあるが交渉に参加して、情報は得るべき。

日本はFTAの締結にも乗り遅れており、このままでは国内から企業が逃げて空洞化が進むばかりです。

外務省が進めたいと思っているらしい、ASEAN+6のFTAに至っては研究段階を抜け出す事は無いと思います。

アジア太平洋は日本のホームグラウンドであり、貿易立国である日本が交渉に参加もしないというのは異常に感じます。しかもTPPは参加国をみても、将来拡大する可能性のある枠組みです。

さらに、いま国論を2分しているのは「交渉に参加するかどうか」です。

そして、参加表明しても実際に交渉に参加出来るのは3ヶ月〜1年後だと思われます。
なので、さっさと参加して、情報を取得すべきです。

参加したら、なし崩しで発効すると言っている人もいますが、

TPPは国際条約なので、交渉参加→交渉合意・署名(政府)→批准(国会)というプロセスの中で
国会で可決されなければ発効しません。

日本でも政府が署名した条約で、国会で否決されているものが沢山あります。

それに、アメリカでもTPPに反対する議員が多いと言われており、議会で批准されない可能性もあります。

▼TPPは アメリカ議会が批准しない可能性もある。
http://twinklestars.air-nifty.com/sorausa/2011/10/post-5226.html

アジア・太平洋は日本のホームグラウンドだ。
世界の成長拠点にいながら、後追いの脇役になるのか、主役を担うのかの選択だ
日経新聞10月24日薮中三十二前外務次官談

日本が締結し、政府が署名した条約や協定で、国会で批准していないものはゴマンとある。例えば、二百近くあるILO条約(国際労働機関)のうち、日本はその1/4程度しか批准していない。
TPPへの疑問、懸念に答える・・・③一旦TPP交渉に入ると離脱できない – 日々是好日

医療や農業などの問題は、詳細編で解説します

TTPによって、日本の農業や医療はいったどうなるのか! と心配している人が多いようです。入門編ではその辺の解説は回避しましたが。 現在ある情報で、この部分の解説を後日試みたいと思います。

https://matome.naver.jp/odai/2132055461769876201
2011年11月10日