原発事故は最も悲惨な喜劇である!

fever7777
原発事故に関するツイートは多いですが、これを「喜劇」と形容したものは少ないですよね。コメディと絡めて語った@utamarushisho による一風変わった連続ツイを並べてみました。

あえて誤解を怖れずに書くが、ネット上には原発事故に関する書込みで溢れている。原発反対の立場での書込みは、政府・電力会社の責任論、放射線量、食の安全、今後の賠償、福島閉鎖論、等々さまざまなな見解が流れる。ネット上で議論を交わすことは非常に結構なことであるが、大半の貴重な意見は、膨大な書込みのなかに埋もれてしまっている。
また原発関連かと思われ、貴重なブログやツイートがスルーされていることもあるかもしれない。原発推進派からの妨害工作もあろう。勿論、自粛しろなどと自由な言論を否定する積もりは毛頭ない。自分も含め、書込みを埋もれさせない工夫が必要なように思う。どうしたらいいものか?

Carlos Rodriguez@fever7777

原発問題とは、皆さん思うより更に更に根が深い問題だと思います。

Carlos Rodriguez@fever7777

そもそも原発問題の本質って何ですかね。被災者の救済?核の廃絶?原発推進者の糾弾?食や生命の安全?それだけで解決するとは思えないんですよね。それが、私がほとんど原発ツイしない要因なのですが。RT @takakuotu: こんばんは。原発事故への対応も総論が見えませんね。

ハリーの災難 〜原発事故後の最も悲惨な喜劇

The Shisho@utamarushisho

1. 巨匠ヒッチコック監督の「ハリーの災難」という作品をご存知でしょうか? ヒッチコックと言えば「サイコ」「鳥」といったホラー作品が有名ですが、「ハリーの災難」は死体を巡るドタバタ喜劇という仕上がりになっております。ぜひ一度ご覧になると面白いかと思います。

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2. 「ハリーの災難」の主人公は、ハリーという名の死体でして、登場人物たちはハリーの死体を埋めたり、掘り起こしたりを繰り返します。ヒッチコックの「殺人は喜劇である」という言葉通り、ドタバタ劇が全編にわたって繰り広げられております。何ともユーモラスな話です。

The Shisho@utamarushisho

3. そしてこの作品は、映像がとにかく美しいのです。映像とストーリーのアンバランスさ、ここにヒッチコックの真骨頂があります。それで結末はどうなのかと申しますと、見事に何ともならない(笑)死体という殺伐としたモチーフなのに、爽快感さえ残る素晴らしい仕上がりとなっているのです。

The Shisho@utamarushisho

4. DVDも安価で出ておりますので、ぜひこれを機会にみていただきたい作品ですね。【参考】ハリーの災難 http://forest.kinokuniya.co.jp/ItemIntro/185127

The Shisho@utamarushisho

5. さてここまでは落語で言うところの「枕」の部分でして、実は原発事故のお話をしたいのであります(笑)3月以降、私のTLは原発事故に関連したツイートが大半を占めておりまして、それに関連する問いかけを今でも多く頂戴してしております。一応、この場を借りてお答えします。

The Shisho@utamarushisho

6. 原発に関する見解は、多くの皆様とほぼ同じでありまして、日本国内の一切の原子炉は停止しなくてはならないという立場です。皆様、なるほどなと思わせるツイートを数多くされておりまして、特段私から新たに発信しなくても宜しいかと思い、ほぼ沈黙していた次第です。

The Shisho@utamarushisho

7. そこでお願い。皆様のツイートには「再生可能なエネルギー」への転換を促したものもありますが、これを機にぜひ日本のエネルギー戦略について深く言及して頂きたいと思います。3/15のまとめがありますので、ご参考までに。 http://togetter.com/li/111839

The Shisho@utamarushisho

8. ところで、欧米やアジアの人々と話す機会が多いのですが、日本のやることは理解できないとしばしば言われます。レベル7の大惨事にありながら、まだ情報を隠蔽する政府、風評被害を煽るマスメディア、政府やメディアの情報を鵜呑みにする多数の国民… これではシャレになりませんね。

The Shisho@utamarushisho

9. これらの現象は、海外からみると、すべてアンビリーバブルなものに映るのかもしれませんね。勿論、海外の人々は日本人をバカにしている訳ではありません。寧ろ、早く日本に立ち直って貰いたいと考えているようです。目覚めよ日本人、という叱咤激励の意味に解釈して下さい。

The Shisho@utamarushisho

10. 原発事故は国民的な悲劇でして、国民全員が1954年以降の国の誤った原発行政、そしてマスメディアの偏向報道による被害者なのですね。でも福島第一原発事故後に起きている日本のドタバタ劇は、海外からは一種の「喜劇」とも受け取られかねない状況かもしれません。

The Shisho@utamarushisho

11. しかし今日本で起こっている「喜劇」は「ハリーの災難」のような上質の笑いを提供できる喜劇ではありません。せいぜい苦笑いしかできない三文芝居なのであります。それはそうでしょう。今の政府や東電には、三流の監督、役者しか揃っていない。

The Shisho@utamarushisho

12. この喜劇の結末として、国民にはイバラの道が待っております。もうこれ以上、三流の監督、役者には芝居を演じさせることはできません。もしヒッチコックが生きていたなら、結末をどのように描いたのでしょうか… (終了)

博士の異常な愛情 〜核じかけの俺ん家

The Shisho@utamarushisho

1. 尊敬してやまないスタンリー・キューブリック監督の名作に「博士の異常な愛情 〜または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」という長いタイトルの作品があります。1963年の作品でして、白黒です。ご覧になった方も多いでしょうね。

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2. キューブリックと言えば「時計じかけのオレンジ」「2001年宇宙の旅」が有名ですが、この「博士の異常な愛情」も代表作ですね。例によってDVDも紹介しておきましょう。 http://bit.ly/luTuwa

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3. 「博士の異常な愛情」では名優ピーター・セラーズが1人3役を演じております。セラーズは「ロリータ」でも主演しており、キューブリック作品では欠かせない存在です。それでこの作品は「意地の悪いブラック・コメディ」と評されており、核戦争の緊張と恐怖を皮肉っています。

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4. この作品の時代は米ソ冷戦時代で、いつ何時核戦争が起こってもおかしくない時期でもありました。ストーリーは、アメリカ軍基地の司令官が、狂ってソ連の核基地の爆撃指令を発してしまう所から始まります。大統領は、ソ連と連絡を取って事態の収拾を図ろうとしますが…

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5. 迎撃機によって無線を破壊された1機が、ついに目標に到達してしまいます。水爆が間もなく発射され、人類を含む全生物が10ヶ月以内に絶滅することに一同がく然とします。そこで、会議に参加していた大統領顧問のストレンジラブ博士は次のように熱弁を振るいます。

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6. いわく「選抜された男女を地下の坑道に避難させることにより、人類はこの期に及んでも存続できる」と。そしてラストに「また会いましょう」という曲がかかり、核爆発の映像が繰り返し流され、映画は終ってしまいます。

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7. 文字で書くと、ストーリーは非常に恐ろしいものなのですが、全編がコメディタッチで描かれていることが大きな救いです。そして冒頭に「映画はフィクションであり、現実には起こりえない」との解説が流れます。これでコメディとして成立している訳です。しかし…

The Shisho@utamarushisho

8. 別に「博士の異常な愛情」を持ち出すまでもなく、核兵器は非常に怖いものです。広島・長崎だけでなく、ビキニ環礁、スリーマイル島、チェルノブイリ、そして福島と悲劇は繰り返されております。福島で現在起っていることは、多くの方々が指摘されている通りです。

The Shisho@utamarushisho

9. 「博士の異常な愛情」では、狂って核攻撃命令を発信したリッパー将軍、核を愛するストレンジラブ博士など、正気とは思えない人物が登場します。おそらくキューブリック監督は、核開発に潜む狂気を誇張したかったのかもしれませんね。

The Shisho@utamarushisho

10. 米ソ冷戦が1990年には終り、核兵器の保有を見直そうとしているこの時期に、福島のような核の事故が起こってしまったことは誠に遺憾です。原発を導入した政治家も官僚も、核事故の怖さを知らなかった筈はありません。仮に利権や旨味があったとしても、狂ってるとしか言い様ありません。

The Shisho@utamarushisho

11. リッパー将軍やストレンジラブ博士のような人々がこの期に及んで、まだデマだ風評被害だという言葉を繰り返しております。そういうメディア、御用学者には映画「博士の異常な愛情」のエンディングと同じ歌を贈りたいと思います。♪また会いましょう〜 (終わり)
http://www.youtube.com/watch?v=MqBIOfZC-I4

スタンリー・キューブリックは人気が高い。その人気の秘密はやはりSF三部作「博士の異常な愛情」、「2001年宇宙の旅」、「時計じかけのオレンジ」を発表したことだろう。3作とも映画史を語るにおいて絶対に外せない傑作である。
http://cinema-magazine.com/old_page/kyosyo/kubrick.htm

https://matome.naver.jp/odai/2131640176419938401
2011年10月17日